資産形成

【体験談】初心者向けの資産運用・投資セミナーは危険!?金融機関の講師を招いたセミナーに参加してみた

「老後のために資産運用しよう!」
「つみたてNISAがいいらしいぞ!」
「やったことないからセミナーとか勉強しておきたい!」

ML執事

そんなことを考えている人、ちょっと待ってください。

ツキカゲちゃん

え?セミナーでプロに教えてもらえるなら、それは良いことなのでは?

ML執事

お金に関しては用心深くなった方がいいよ!プロが開催するセミナーだから安心、とはいかないのだ!

資産運用を実際に始める前に勉強をする、というのは賛成です。しかし、金融関係の仕事をしている人からいろいろ教えてもらうのは、必ずしもよい手段とはいえません。

私自身、NISAが始まったころ、大手銀行の窓口で説明を受けてNISAを開始して失敗したことがありました。しかし、それも2015年くらいのころのお話。今は状況も変わっているかな?と思って、金融機関の人が開催するセミナーに参加してみたのだけど…

今回の記事は、2021年に金融機関の人(お金のプロ)が開催するセミナーに実際に参加して、「これは危険だ」と感じたポイントを紹介していきます。

【失敗談】大手銀行オススメのNISA商品に100万円投資した結果は?「NISAがいいらしいぞ!」 投資初心者が資産運用を始めようと思い立ったら、どうするでしょうか?昔の私は大手銀行の窓口に行きました! 今なら絶対にしない行動なのですが…失敗談として公開します。...
  • 金融のプロの初心者向けセミナーはそのまま勧誘のための営業セミナーでもある。
  • 資産運用の必要性を必要以上に訴える。
  • 優良誤認をさせる説明が含まれているかもしれない。
  • 嘘は言わないが、不利なことも言わない傾向。
  • 他行との金融商品比較ができないから、初心者には商品が優れているのかどうかの判断ができない。
  • 自行比較で金融商品の説明をする。

本当の初心者だと良いお話にしか聞こえず、不利なところでNISA口座を開設してしまうかも!?

お知らせ:金融機関の講師を招いての資産運用セミナー開催!無料!

世間でも、老後に向けた資産運用、資産形成の必要性はよく耳にしますね。私自身もいろいろ考えた結果、早期からの資産運用は大事だと感じていて、実際に実行しています。

ML執事

世間では資産運用の大切さが騒がれているけど、世間に流されず自分なりに必要性を考えて、それでも必要性を感じたら資産運用に取り組むのがいいよ。

ツキカゲちゃん

リスクや不安に対する考え方やその人の状況によって老後に必要なお金も変わりますし、節約と貯金と年金があれば問題ないという人もいるでしょうしね。

独身者が60歳定年するための目標貯蓄額の試算と目標を達成する方法60歳定年を前提として、自分の場合の必要貯蓄額はいくらなか?独身者の様々な生活スタイル別で試算した結果をご紹介します。目標貯蓄額が見えたところで、目標を達成する方法についても触れています。...

世間的にこれだけ老後問題が話題になっているのだから、会社の労働組合主催での金融セミナーを行っている会社もあると思います。

サラリーマンで老後を心配している人なら、「労働組合主催のセミナーなら安全」と思って参加したいという人もいるかと思います。

しかし、会社が噛んでいるというだけで安心感が出るものですが…その安心感は絶対的なものではありません!

会社の労働組合が主催といっても、実際の講師は外部の金融機関から招いています。会社とつながりの深い金融機関との連携で開催されるセミナーですね。

金融機関のセミナーを鵜呑みにするのは危険、というのは、昔によく言われていたことです。お金を商売する人にお金の相談をしてはいけない!ただのカモになる!

ツキカゲちゃん

たしかに…投資をしてもらって手数料などで儲ける金融機関の視点で考えると…

ML執事

セミナーという名の勉強会!ではなく…セミナーという名の売り込み営業!といえるかもしれないね。

ツキカゲちゃん

なるほど。なんでもかんでも鵜呑みにして話を聞くのは良くなさそうですね。

ML執事

ということで、実態調査だと思って、「外部から講師を招いて資産運用のセミナーをやる」という労働組合主催のセミナーに参加してきたんだよ!

ツキカゲちゃん

それで結論はどうだったんですか?

ML執事

やはり金融機関のセミナーは注意が必要というのが私の結論かな。嘘は言っていないけど、説明に不親切を感じる部分は割とあったよ。

セミナーは1時間(説明50分、質疑10分)でした。

以降は私がセミナーを受けてツッコミしたくなった箇所をピックアップしていきます。たぶん、初心者ならば自然にそのまま鵜呑みにしてしまいがちなところになるかと思います。

老後に向けた資産運用・投資はなぜ必要?

セミナーのつかみはやはりこの話題。老後に向けての資産運用・投資の必要性についてですね。

「老後2000万円問題」はその数字に疑問もありますが、老後の資産運用の必要性の説明をする際には使いやすい言葉です。

しかし、セミナーでの資料では、「老後には8400万円の生活費が必要です」となっていました。パワポのスライドショーを使っての説明なので、資料はどんどん流れてしまっていたのですが、この言葉だけ聞くと「老後のために8400万円の貯蓄が必要」と誤解されてしまいそうです。

一部の前提条件も資料には書かれていたのですが、その中身は以下の通り。

  • 毎月の生活費:26万円 ※夫婦二人暮らし
  • 60歳~平均寿命の年数:25年~29年

⇒8424万円の計算。セミナーの資料の正確な数字は記憶してないですが、こんな感じだったと思います。

ML執事

資産運用のセミナーなんだから、「生涯生活費」よりも「目標貯蓄額」の例を示す方が良いのでは!?

ツキカゲちゃん

資産運用の必要性をアピールするなら、とにかく金額を大きく見せて不安を煽るのが効果的ですね!?

年金受給額や退職金も考慮して、○○円不足するから、この○○円のために資産運用が必要ですよ、という説明の方が親切かと思いますね。

あと、医療費と物価上昇率も見込みたいところです。

調べてみるとこの毎月26万円の中に医療費1.5万円ほど見込まれているようだけど、高齢で2人分の医療費としてはどうなんだろう?

調べてみると、「e-Stat 政府統計の総合窓口」の2018年 2人以上世帯の保険医療費の70歳以上の平均を参照しているようです。

年々医療費も増加傾向のようだし、もう少し厳しく見ておいた方がよいかもしれないですね。

ちなみに、物価上昇率は見込んでいなさそうですね。

老後のための資産運用を考えるのであれば、「老後生活の不足額」を考えるようにしましょう!

老後に向けた資産運用を始める前に…あなたの目標貯蓄額は現実的で達成可能ですか?資産運用の第一歩は、目標を立てること! その目標が現実的で達成できるものでないと、始める前から資産運用は失敗です!まずは目標が現実的であるかを確認して、目標達成の具体的な貯蓄ペースを考えよう!...

日本人は資産運用をしていないからもったいない!

老後に向けた資産運用の必要性のお話の次は、「日本人はもっと資産運用するべき!国際的にも日本人は貯金ばかりで損をしている!」というお話でした。

他国と日本を比較して、日本が資産運用・投資をしていない、というお話はよく聞きますね。セミナーの資料で見せられたのは、「米国・英国・日本」での「預貯金・株/債券・保険・その他」の資産割合の比較でした。

個人的には、資産割合だけを他国の事例と比較して議論するのも正しいのかな?と感じます。国内の事情で有効性の高い資産の形も違うでしょうからね。金利の違いや不動産の価格動向とかありますからね。

そもそも、資産割合を示す中で不動産も入れて比較を見てみたかったですね。マイホームを持っている人もいるでしょう。不動産も立派な資産です。あと、保険の中でも掛け捨て保険は資産からは除外して考えたいですね。

ともあれ、日本だと「株/債券」への投資という考え方が乏しいのは正しい指摘だと思います。(’21/7/11現在)

大事なのは、他国と日本の資産割合の比較ではなく、「日本は預貯金に対する金利が著しく低いのにも関わらず、預貯金の割合が多い」ということでしょう。

お金に関しては、間違ったリスクの取り方は厳禁ですが、適度なリスクを取って資産を運用した方が長期的には有利になる可能性が高い、というのが過去実績から言えます。

将来的にも過去実績の通りに運用できるのかは誰にも分かりませんが…

「リスクを取って資産を運用した方が長期的には有利」というのは、その市場が長期的には右肩上がりで成長する、という前提での理屈です。

過去を振り返ると世界経済は右肩上がりで成長しています。ただし、今後も世界経済が右肩上がりで成長し続ける保証はありません。

このことは長期での資産運用がよいものである、と説明する際には、付け加えておきたいポイントです。資産運用・投資には必ずリスクがあります。そのリスクを負った分、リターンも期待できるのです。

ML執事

ローリスクローリターン、ハイリスクハイリターンはあるけれど、ローリスクハイリターンは存在しません!

ツキカゲちゃん

ローリスクハイリターンの商品は詐欺だと思え!ですね。

ML執事

リスクを負う見返りとしてリターンが期待できるのが投資だから、そのバランスが取れていない商品は怪しさしかない!

ツキカゲちゃん

預貯金よりも高いリターンを期待する以上、投資にはリスクを負っていることは忘れないようにしないといけませんね。

ML執事

ちなみに、ハイリスクローリターンは存在するので、ぼったくり金融商品には気を付けましょう。

つみたてNISAは安全確実!

日本人はもっと資産運用をするべき!というお話の次はいよいよ本題。つみたてNISAの売り込みです!

つみたてNISAは安全確実に資産を増やせます!

ML執事

そんなわけあるかー!!

ツキカゲちゃん

えぇ~!?つみたてNISAの何がいけないんですか?

ML執事

そこじゃないよ。投資で「確実」にもうかるという話をしているのがダメだね。

ツキカゲちゃん

つみたてNISAも投資である以上、絶対ではないということですね…

セミナーの資料では、預貯金の金利だけで資産を保持した場合と、つみたてNISAをした場合の資産の変動をグラフで示されていました。運用がうまくいった期間を切り抜けば、それは資産運用した方が良い結果になるとしか見えませんよね…

セミナーの資料でみせられた資産運用結果のグラフの期間は、ちょうど暴落時期の手前までで切り取られていました。

他にも、「資産運用を1年だけした場合は、資産の振れ幅は-30%~+70%」「資産運用を30年した場合は、資産の振れ幅は+6%~+12%」(数字は完全に記憶はしていないので少し適当)という説明もありました。長期間運用するほどバラツキが小さくなって、資産はプラスになる、というお話ですね。

この理屈も過去事例から示されている数字ではありますが、過去のどこの期間を切り抜くかによりますね。長期間運用するほどバラツキが小さくなるのは事実でしょう。しかし、資産運用の終着点で必ずプラスになる、というのは“未来も同じように”保証されているわけではありません。

  • 過去の実績が未来永劫続くという保証はない。
  • 長期的にみれば過去の実績からプラスになる傾向はあるが、金融市場が暴落する時期があることも事実。
  • 実際に自分がお金を必要とした時が金融市場が暴落している時期の可能性もある。
ML執事

長期投資のメリットを見た時に忘れてはいけないのは、「自分がお金を必要とするタイミングは選べない」ということだね。

ツキカゲちゃん

自分の老後のタイミングは年齢で決まっちゃってますからね…

ML執事

長期投資で資産運用がプラスになる可能性は十分に高いとしても、運悪く自分がお金を必要とするタイミングが金融市場の暴落時期に当たる可能性は否定できないよ!

ツキカゲちゃん

そういうリスクもしっかり把握しないといけませんね!

ML執事

そういうこと!長期投資の戦略自体は私自身肯定的だよ!ただ、暴落時期にも耐えられるように金融資産以外も持っておくとより安全だね。

資産運用は必ずもうかるわけではない、ということは忘れないようにしましょう。いざ、老後のために運用した資産を使おう、と思った時に市場が暴落していたら、最終的な資産はプラスにはなっていないかもしれません。

資産運用をした先…いわゆる出口戦略も重要、ということですね。

ML執事

セミナー開催側にとって、NISA口座を開設してもらってお金を入れてもらうことを目的にしている可能性があるよ。

ツキカゲちゃん

口座開設と投資をしてもらうことを目的とするなら、注意点や投資の出口戦略(投資終了時の動き方)の話なんてしませんよね…

ML執事

本来、投資はゴールもちゃんと見据えて始めるべきなんだけどね~…

あと、根本的なお話ですが、長期で資産運用するにしても商品選びが非常に重要です。つみたてNISAならなんでもよいというわけではありません。長期的に右肩上がりの成長を期待できる商品を選ばないと、長期運用の有利性がそもそも成立しません。

ML執事

そもそも変な金融商品に投資してしまった場合は論外だよ。

ツキカゲちゃん

その点、つみたてNISAの対象商品は金融庁で厳選されているので、一定の安心感はありますね。

ML執事

それでも、つみたてNISAの対象商品ならなんでもよいとは言えないけどね。

ツキカゲちゃん

長期投資の前提として、基本的に右肩上がりの成長が期待できる市場へ投資でしたね。

資産運用・投資において、「確実」「安全」「絶対」という言葉を聞いたら怪しいと思って話を聞いた方が良いです。

データで示されると信じてしまいがちですが、良いところどりをしたデータを見せられているだけかもしれません。嘘は言っていないけど、有利に見えるようにしている可能性はあります。

ML執事

リスクを全面に出して話しているけど、投資はリスクを承知の上で実施して欲しいというだけだよ。

ツキカゲちゃん

リスクを背負った分だけリターンも期待できる。リスクがない投資はないということですね。

ML執事

うんうん。基本的には「20~30年レベルの長期投資なら過去実績でプラスの運用成績になる」というデータが未来にも通じると思って、私は投資しているね。

ツキカゲちゃん

過去のデータ通りにいかない可能性、お金が欲しいタイミングが暴落時期にあたる可能性、投資先を失敗している可能性…いろいろなリスクを承知の上で、長期投資を実施しているわけですね。

ドルコスト平均法はお得な投資方法?

つみたてNISAは、定期的に定額を投資していきます。これはドルコスト平均法といわれる投資方法です。

基本的に投資において「分散」はよくいわれるお話です。分散のメリットはリスク低減です。リスクが減る代わりにリターンも減ります。

安定志向であれば、分散によってローリスクローリターンの資産運用を目指すのが良いでしょう。老後に向けた資産形成とも相性がよいです。

分散にもいろいろありますが、ドルコスト平均法は時間分散にあたります。株価はつねに変動しているので、どのタイミングで投資すればよいのか悩みどころです。

株価が高いところで投資してしまったら損をする可能性が高くなります。

誰だって、安くなったところで買いたいですよね?しかし、いつ安くなるのかなんて分かりません!

そこで登場するのがドルコスト平均法なのです!

ML執事

投資タイミングは初心者にとって判断がつかないポイントのひとつですよね。

ツキカゲちゃん

タイミングを選ばずに投資をし始めて良いというのは、初心者としても楽ですね!

ML執事

そうなんだけど…セミナーではドルコスト平均法について誤解を生むような説明がされていたんだ…

【セミナーでのドルコスト平均法の説明】

例題とグラフを見せたうえで、その結果として、次の結論で締めくくっていました。

この例ではドルコスト平均法によって安く株を買えた!」

ML執事

こんな感じだった。分散の話をせずに、ドルコスト平均法は株を安く買うための方法として紹介されていたんだ。

ツキカゲちゃん

「この例では」と小さく書かれているあたり、嘘は言っていない感がありますね…

ML執事

初心者はこのセミナーの説明で、ほぼほぼドルコスト平均法に対して誤解をしたと思うよ…

ドルコスト平均法の説明

記事の主題から外れますが、誤解したままにならないように、ドルコスト平均法について説明をしておきます。

ドルコスト平均法は、時間分散によるリスク低減が本来の目的でしょう。例を見ながらどういうものであるかをかんたんに見ておきましょう。

1回1万円を3回に分けて合計3万円を投資した場合と、1回で3万円を一度に投資した場合で比較してみましょう。

【用語説明】

  • 基準価額:投資信託における株価のようなもの。
  • 口数:投資信託における投資単位。基準価額で1口分購入できる。
  • 平均取得価額:1口あたりの購入単価。「合計投資額÷保有口数」で計算。
  • 評価額:現在の基準価額×保有口数
  • 評価損益:現在の損得状況。「評価額-投資額」で計算。
ML執事

投資タイミングの違いによる投資信託の基準価額の推移は4パターンに分けて見てみよう!

ツキカゲちゃん

基準価額の推移グラフはこんな感じで仮定しました!価額はまったくの適当ですよ~。

  • 推移①:基準価額が上がり続ける
  • 推移②:基準価額が下がり続ける
  • 推移③:基準価額が上がった後に戻る
  • 推移④:基準価額が下がった後に戻る
ML執事

この4パターンで、「1回目に一括投資」と「ドルコスト平均法」でどういう差が出るかの結果は次の通り!

ツキカゲちゃん

基準価額が落ちると評価額も落ちるけど、ドルコスト平均法の場合は価格が落ちた分だけ購入できる口数が増えるのがポイントです!逆のパターンもありますけどね。

ML執事

合計の投資額はどのパターンでも3万円だよ。評価額は3回目時点の基準価額で計算しているよ。

※一括投資:1回目に3万円投資のみ
※ドルコスト平均法:1回毎に1万円ずつ投資

投資方法基準価額推移保有口数平均取得価額評価額評価損益
一括投資30010042千円+12千円
30010018千円-12千円
30010030千円±0円
30010030千円±0円
ドルコスト平均法25511836千円+6千円
3927724千円-6千円
28310628千円-2千円
3259233千円+3千円
ツキカゲちゃん

ドルコスト平均法の方が、結果にあたる評価損益の振れ幅が小さくなっていますね。

ML執事

ドルコスト平均法による投資タイミングの時間分散でローリスクローリターン化されたということだね。

  • ドルコスト平均法はローリスクローリターンになるため、一括投資に比べると大きくもうける機会を失いますが、大きな損失の機会も減ります。
  • ドルコスト平均法でも右肩下がりの状況では損失は免れません。「損をしない投資方法ではない」ので、勘違いしないようにしましょう。
  • ドルコスト平均法は、あくまで投資額が平均化されるだけです。投資期間が長くなれば長くなるほどそれまでに投資してきた合計金額が大きくなるので、直近に大きな価格変動があっても平均取得価額は現在評価額に追従しません。よって、暴落時に大きな損失が出るのは避けられません。

信託報酬の重要性!安い信託報酬の商品あります!

必ず聞くのは、「つみたてNISAの対象商品は金融庁が定めた商品だから安全」というものです。

金融庁が厳選した商品が対象になっている、というのは正しいですが「安全」というのは少し誇張があると思います。「比較的安全」程度と認識しておいた方がよいでしょう。

ML執事

つみたてNISAなら、どんな商品に投資してもよいというわけではない!

ツキカゲちゃん

つみたてNISAだけに絞っても、対象商品はいっぱいありますからね~。

ML執事

まあ、商品選びについてはまた別の機会にやろうか。

セミナーでは投資信託を選ぶにあたって、「信託報酬が安い方がよい」という程度のことだけは教えてくれていました。

信託報酬は投資信託に資産運用をお願いするための手数料です。投資してる評価額に対して毎年○%というようにお金がかかります。実質的には、信託報酬分だけリターンが目減りする感覚です。

よって、信託報酬が安い分だけリターンが高くなります。

しかし、セミナーにおける「信託報酬が安い」という説明の「数字基準」に疑問を感じました…

(セミナーの説明資料において、信託報酬の差による運用成績の差が分かるグラフを見せながら…)

信託報酬が1.5%と2.5%でこれだけ資産運用の結果が変わります!

ML執事

信託報酬1.5%がお得に見える説明をするなー!

ツキカゲちゃん

アクティブファンドの想定ですかね…?

あと、オマケ程度に国内/海外インデックスファンド、国内/海外アクティブファンドの信託報酬も紹介されていました。セミナー中の全部の数字は記憶してませんが、国内インデックスファンド0.5%、海外インデックスファンド0.75%…という感じでした。

ML執事

だから、高いわー!!

ツキカゲちゃん

やっぱり、ネット証券とか使って自分で商品選んだ方が安心そうですね…

ML執事

目安としては、0.2%以下のファンドが推奨されている印象あるね。(’21/7/11現在)

ツキカゲちゃん

長期投資においては、0.1%単位の差は気にするべき差ですもんね。

相場観がないと、絶対に数字に騙されますね…私はネット証券でいろいろ商品を見比べたりした経験があるから、信託報酬も安い高いの雰囲気くらいは分かります。

こんな高い信託報酬を取る商品をオススメしてくる金融機関でNISA口座を開設するメリットが思い浮かびません…

ML執事

ガチ初心者だった時に大手銀行でNISA口座開設してしまった時のことを思い出すね…

ツキカゲちゃん

金融機関の窓口で投資商品のオススメを聞いてはいけない…教訓ですね。

ML執事

まさに手数料ビジネス…投資した瞬間に損が確定するし、運用手数料も高すぎる…

【失敗談】大手銀行オススメのNISA商品に100万円投資した結果は?「NISAがいいらしいぞ!」 投資初心者が資産運用を始めようと思い立ったら、どうするでしょうか?昔の私は大手銀行の窓口に行きました! 今なら絶対にしない行動なのですが…失敗談として公開します。...

NISA口座は1か所でしか開設できません。よいファンド(投資信託)へよい条件で投資できないようなところでNISA口座を開設することがないようにしましょう!

基本的にはネット証券が安くてオススメです。ただし、相談する窓口の人は(基本的に)いないので自分で商品選びをして購入できるだけの最低限の知識は必要です。

投資信託選びについて、信託報酬は特に気にする数字としてチェックしておきましょう!

実際につみたてNISAを始めた人はこれだけ得しています!

今回のセミナーは会社が外部講師を招いて開かれているセミナーです。会社の担当の人はそういう役柄なのか、外部講師の所属している金融機関でNISA口座を開設しているようでした。

そして、その担当者の了承の下、毎月1万円をつみたてNISAで1年間積立をした結果が公表されました。2020年6月~2021年6月の1年のようです。2020年4月に暴落が起きて、その後は急速な右肩上がりで回復したので期間的には非常に有利な1年間ですね。

1年間の運用成果は「+20%」です!

実際には実金額での公表でしたが、数字的にはこんなものでした。まあ、暴落後の良いタイミングでの積み立て開始だし、運用利率は高くなりますよね。1年でこれだけ増える、という数字は長期投資を想定した時の実態(平均)を考えると、誤解を与える数字ですね。

嘘は言っていないし事実なのだけど、これからつみたてNISAを始めようという人に対しては誤解を与える数字だと感じます。

ML執事

実際のデータを見せられると信用してしまうけど、どういうデータなのかを把握した上で有用なデータなのかどうかを見極めましょうね。

ツキカゲちゃん

お金に関しては人生がかかってしまいますからね。周囲に流されたり、だまされたりしないよう、自己防衛はしっかりと!

実際のデータでも良いところ取りで見せられているデータの可能性あり!

過去実例は重要だけど、良いところを切り抜かれただけのデータではないのか、疑いの目も持とう!

つみたてNISAの申込書、送ります!

個人的にツッコミどころが多いセミナーでしたが、セミナーが終わった後の質疑の時間で申込方法を聞く人もいれば、即口座開設の判断まで行かずとも口座開設の前提での質問がけっこう出ていました。

ML執事

やっぱり、完全な初心者視点になると、セミナーの内容をそのまま鵜呑みにしてしまうんだな、と改めて思いました。

ツキカゲちゃん

お金を商売にする人に言われるままに口座開設して投資する…よくある失敗例で聞くパターンですね。

ML執事

仮に損失は出さなかったとしても、得られるリターンはネット証券で運用した時よりも目減りするだろうね…

ツキカゲちゃん

そもそも、つみたてNISAの対象商品内での選択とはいえ、自分にあった商品をオススメしてもらえるかも分かりませんね。

今はネットでいろいろ情報を得られる時代です。

それゆえに、信頼できる情報を見極める目も必要になりますが、少なくとも一か所からの情報を信じないように、常に複数個所で情報をチェックするようにすることをオススメします。

情報比較ができれば、メリット・デメリット、他者比較など、「物事を選択する判断」がより精密にできるようになるはずです。

私としては、自分のブログで書いている情報は悪意のないように書いているつもりですが、「私」というフィルターを通して情報を発信している以上、「私がよい」と思うものはオススメして、そうでないものはオススメしないような内容になってしまっているはずです。

例えば、私は長期投資、インデックス投資、高配当ETFが好きなので、そういう投資方法が良くみえるような情報発信になってしまっています。少なくとも私自分の投資目的からするとこれら投資方法が良い選択肢だと信じていますが、投資目的が異なれば必ずしもこれら投資方法が優れているとはいえません。

まとめ(資産運用セミナーの注意点)

お金を商売にする人によるお金を使わせるためのセミナーの情報を真に受けると危険、というお話でした。

最後におさらいとして気を付けるべきポイントを振り返っておきましょう。

セミナーでの注意点
  • お金を扱う人にお金の相談をするのはリスクがある。嘘の情報はなくとも、知っておくべき情報が伏せられている可能性もある。
  • お金の相談をするのであれば、金融機関(お金を商売にする人)ではない人にも相談するという選択肢もある。(ファイナンシャルプランナーなど)
  • ネットで金融関係の情報を調べる際には、複数個所の情報を確認するのがよい。
  • 投資戦略にもいろいろあるので、一か所から得られる情報のみを鵜呑みにしない。自分にあった投資戦略かどうかを考える。
  • NISA口座は一か所でしか開設できない。セミナー後の勧誘に注意。そこが最適な口座開設先とは限らない。
  • 口座開設や商品選びについては、少なくともネット証券との比較は行うこと。適正相場を知るべし。
  • 資産運用/投資にはリスクがある。「確実」「絶対」「安全」というような言葉は信じないこと。
  • ローリスクハイリターンは存在しない。ハイリスクローリターンは存在する。ぼったくりに注意。適正相場を知るべし。

資産運用/投資には必ずリスクを伴います。

資産運用・投資は余剰資産の範囲で自己責任で行うようにしましょう!

ML執事

つみたてNISA自体はよい制度だよ!税制面で有利なのは大きい!

ツキカゲちゃん

つみたてNISAではなくて、一般NISAという選択肢もありますよね?

ML執事

どちらか片方しか使えないから、投資スタイルの差や好みの問題で選べばいいと思うよ。

ツキカゲちゃん

一長一短ありますもんね。今回の主題からは外れるので、この話はまたいつか?

ML執事

まあ、少額からコツコツと投資信託で長期投資していくなら、つみたてNISAが合うかな?初心者にオススメできるスタイルにも合うからね。

ツキカゲちゃん

はい!では今回はここまで~!

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ML執事
社会人になって以来、節約努力によって貯金速度が年100万円から年200万円に。40歳から老後不安解決のため、貯金の一部で資産運用を含めた活動を開始。不労所得を積み上げ中! 「老後の不労所得に月22万円を得る」「趣味を忘れない」を目標とした実践ブログを運営してます。